描き続けていて、よかった。 [告知]
超久々のブログ更新です。
本日2月24日、私自身4年ぶり、15冊目となりますコミックス
「ヘルメットの流儀」が発売となりました。
北海道・函館出身の『ヘルメットブラザース』
(へルメットたけしくん・ヘルメットとおるくん)は、
兄弟揃ってパチスロで生計を立てているいわゆる「スロプロ」。
↑ 昨年夏の打ち合わせ時の写真です。奥が兄・たけしくん、手前が弟・とおるくん。
お店はジョナサン高田馬場店。ここであらゆるアイデアが生まれていきます。
-------------------------------------------------------------------------
彼らの日々の立ち回りに密着し、勝つためにどんなことを考え、
どんな風に行動しているのかをつぶさにレポートした漫画「ヘルメットの中身」は、
一昨年の夏にパチスロ漫画誌「パチスロパニック7」の増刊号で
第1回目の読切作品が掲載され、それから2年強の間、
不定期ながら30話ほど掲載を続けてきた作品です。
今回晴れてそれらが1冊にまとまり
皆さんのお手元にお届けできることになって、
本当に嬉しく思っています。
460ページ超。かなり分厚いです。
↑ 帯の推薦文は、彼ら「ヘルメットブラザース」の名付け親である木村魚拓さん。
私が勝手に「お願いしてみたら?」とアイデアを出したのですが、
快く引き受けてくださいました。
本当にありがとうございました。
↑ 私のプロフィール…なんなのでしょう、
このガッチリ型にはまった文章は。
------------------------------------------
さて…本コミックスのあとがきにも少し書きましたが、
実はこの漫画が始まった当初、さまざまな事情から私は
彼らと直接コンタクトをとることが許されていませんでした。
写真や映像、そして元ネタとなる実戦データやそれに対するコメントを読んだだけで
漫画をカタチにせねばならず、非常に辛く苦しい思いをしていたのです。
彼らのキャラクターや人となりを、資料だけで掴む事は至難の業で、
そんな状態でいいネームが切れるはずもなく…頻繁に直しや全ボツを食らい、
かといって改善を求めても解決してもらえないという日々が続きました。
そのうち、だんだん自分でもいったい何の漫画を描いているのかわからなくなり、
私は半ばノイローゼのような状態にまで追い込まれ、正直、漫画を描くこと自体さえ
やめてしまおうかとも思うほどになっていました。
----------------------------------------------------------------
※そしてこれらの状況は、私の漫画における表現などに大きく影響し、
そのせいで彼らが一時期強烈なバッシングを受ける一因にもなってしまったのです。
本当に申し訳ないことをしました。
----------------------------------------------------------------
しかしそんな中「もう止めたい」と弱音を吐いた私を
丁寧にフォローし、ケアしてくれたのが
私の初の連載作品「パチスロダイオヘッド」の
担当編集だったT編集長と、今の担当Sくんだったのです。
↑ 「パチスロダイオヘッド」コミックス最終巻。
漫画家人生初の連載で、8年半も描かせていただいた
思い出深い作品です。
--------------------------------------------
これまでの「ヘルメットの中身」の制作方法を一新。
私とSくん、そしてヘルメットブラザースの二人で毎回綿密な打ち合わせを行い、
何が面白いのか、どうすれば面白くなるのかをとことん話し合うようになりました。
彼らと実際に会い、話をすることで今まで見えていなかったものも見えるようになり、
彼ら自身が漫画として表現されることへ感じていたギャップや、
私が間違って認識していた彼らへのイメージなどの問題が次々と解消されていきました。
信頼関係も生まれ、ここから「ヘルメットの中身」は
格段に作品としてのクオリティが上がっていったのです。
そして…そんなみんなの努力と情熱それが認められて、
今回のコミックス化が実現した、と私は思っています。
ヘルメットブラザースの二人、そしてこの漫画に関わってくれた全ての人に、感謝。
特にSくんの編集者としての高い能力には、敬服しています。
本当にありがとう。
この漫画は、パチスロに興味のない方には正直面白くない内容です。
専門書のようなモノなので、これはもうどうしようもありません。
しかしそんな方は、お知り合いにパチスロ好きな方がおられましたら、
ぜひ「こんな漫画があるよ~」と、紹介してやってください。
また、もし万が一「この絵柄好きだな~」なんて奇特な方がおられれば
ぜひ一冊、目の保養としてお手元に!
↑ セブン&ワイ
↑ アマゾン
↑ TSUTAYA
基本的には、コンビニのコミックコーナーにおいてある可能性が高いです。
お見かけになられましたら、ぜひ手にとって見てください。
よろしくお願いいたします。
最後に。
描き続けていて、よかった。
長年、人見知りで付き合い下手として、社交性のかけらもない裏道を生きてきた私ですが、
この年になって人と人とのつながりの大切さを実感する日々を過ごしています。
人間のうつわ的にはまだまだですが、皆様に認めてもらえるようがんばっていきます!
これからも応援よろしくお願いいたします。
モリ淳史