要は、気持ちひとつなんだ。 [雑談]
「とっと!階段のところにコレ落ちてたよ!」
小3の娘が仕事部屋のドアを開けて大きな声でそういった。
「なに?」
娘の手元を見ると、なにやら薄汚れた白い紐のようなものを持っている。
受け取って、初めてそれが何かに気づいた。
ミサンガである。
2年前、小学校入学と同時に学童へも通いだした娘は、
そこで毎日いろんな遊びを覚えてきた。
その中のひとつが、手作りのミサンガだったのだ。
「今日こんなのつくったの!とっとの手に結んであげるね」
恐らく生まれて初めて作ったであろうミサンガを、
自分の腕に巻いてくれた時の娘のうれしそうな顔は、
今でも鮮明に覚えている。
「何か願い事するんだよ。何にする?」
「そうだなあ、何がいいかな」
「母ちゃんはね、ダイエットできますようにがいいんじゃないかって言ってたよ」
「…そ、そうか(あのクソアマ余計なことを…)」
気を取り直して
「じゃあさ、お仕事がうまくいきますようにってお願いするよ」
「うんわかった。はい、できたよ!」
「ありがとう」
気持ち的には、黄金のブレスレット。
娘手作りの、世界にひとつしかないミサンガ。
(…親になって、よかった…)
こみ上げるものをこらえながら、仕事への決意を新たにしたのである。
…とまあ、並べようと思えばいくらでも美談に出来るのであるが、
日常生活においては少々問題があった。
白い紐を編み上げて作ったそれは、当初地黒の自分の左腕で
純白の輝き(?)を放っていたのだが、
その日の夕食の時、結び目から垂れ下がっていた先の部分を
味噌汁にドップリ浸けてしまう大失態を犯してしまう。
「とっと!入ってる!入ってる!」
嫁の指摘で慌てて洗面所へ。
石鹸をつけてもみ洗いするも、何かほんのり味噌汁の色がつき、
さらに味噌と石鹸の香りが混じって微妙なことに…
ドライヤーで乾かしたらなんとか体感的に
元の90%ぐらいまでは回復したので安心していたら、
数日のうちにまた油断してしまい…
今度は我が家の定番メニューでもある「かんたん白菜豚鍋」を食している最中、
これまた我が家の定番アイテムである「食べてビックリ!完全味付け旭ポンズ」の中に、
前回よりもさらにドップリとミサンガの結び先をつけてしまう事態に…!
左腕に直接結び付けているので漂白剤を使うことも出来ず、
黄金よりも価値のあるはずのミサンガは
「えっ?これ元々何色?」
と疑問に思うぐらい、どんどん変色していったのだ…
それでも、1ヶ月もすればその内つけていることを忘れるほど体に自然になじみ、
まあだからこそ切れて階段のところに落ちていたのも気づかなかったわけだが…
先日、やっとブログを久々に更新し、仕事やその他のいろんなことに対して
新たな気持ちで臨んでいこうという気になったのは、ミサンガがそろそろ切れることを
どこかで本能的に感じ取っていたのかもしれない。
願い事ごとを思い返す。
『お仕事がうまくいきますように』
これはもう、信じてやっていくしかない。
ね。